親方に聞け

仕事のこと。人生のこと。
親方たちの考えは結構深い。

親方歴10年の若手に聞く

若手足場職人 28歳 勤続10年

Q. 実際に働いてみて感じたコトは?

筋肉痛で足も二の腕もパンパン。最初は体がついていかず本当にキツかった。だけど、1ヵ月くらい働いてみて足場職人の良さも感じました。体を動かすことでスカッとするし、「どうやって組み立てようか」とアタマを使う時もある。夜遅くまで残業なんてことはほとんどないし、毎日現場が違うからひたすら同じ作業のくり返しなんてストレスもない。仕事終わりは「疲れたぁ!」とか「ハラ減った」とか、そんなことばかり言っているけど、「オレ、生きてんなぁ。今日も働いたなぁ。」という充実感はすごくあります。

実際に働いてみて感じたコトは?

Q. この仕事の大変なトコロは?

体力面以外でいうと、朝が早い。遅くても8時には仕事がスタートするので、現場までの距離によっては6時前に起きないと間に合いません。もっとシビアなことを言うと、私の場合は朝イチに資材の積み込みをやるので、4時半に起床して5時頃に出社しています。その辺のタイムスケジュールの組み方は親方の自由。早く帰って子どもの顔を見たいから、みんなが夕方にやる積み込み作業を朝にやっているんです。その分、家に帰るのはだいたい夕方。現場によっては昼過ぎに終わる。子どもと遊んだり、ツレと飲みに出かけたり。飲む時も21時頃には帰って翌日に備えます。

この仕事の大変なトコロは?

Q. この仕事の良いトコロは?

やっぱり家族を養っていける収入を得られること。見習いの時はそうでもないけど、親方になってからは月商100万円を稼げています。個人事業主として、そこから自分が雇った子方への日当や、仕事道具やトラック購入の経費支払い等が必要ですが、残りが家族との生活費になります。体力を使うし朝が早いというデメリットと、稼げるし早く帰れるというメリットをもつのが足場職人。苦労に見合った収入を得ています。

この仕事の良いトコロは?

親方歴20年のベテランに聞く

ベテラン足場職人 41歳 勤続22年

Q. 足場職人のミリョクとは?

ストレスがほとんどない。クドクド説教する上司がいるとか、退屈な作業をずっとくり返すなんてこともなく、太陽の下で伸び伸びと仕事ができるから楽しい。他にも、家がつくられるまでの流れが分かってオモシロイ。筋肉もスゴくつくし、頑張った分良いクルマがすぐに買える。一番稼いだ時の年収は言えないけれど、足場職人の稼ぎは良いと思うんだよね。あとは、日々自分の組み立てた足場を自らの目で確認できるのもミリョク。その日の仕事のできばえが自分で分かるんだ。だからこそ、次の現場はこうやろうという意識が成長に繋がると思うんだ。

足場職人のミリョクとは?

Q. 入社してほしいヒトは?

マジメに元気に働ける人なら、学校の成績が良くなくても問題ないよ。だけど、『人づきあい』をバカにするような人には来てほしくないかな。『人づきあい』というのは挨拶、マナー、礼儀とか、そういうもの。礼儀なく挨拶もできない人にはやっぱ叱るし、それでもできないなら辞めてもらった方がいい。なぜ、そんなことを言うかというと、職人1人の印象が、中部ホリー販売の職人全員の信用に関わるから。「アイツは挨拶もできないし、仕事もいい加減だ」とお客さんから言われれば、マジメに頑張っている他の職人たちの仕事も減ることになる。「知らない人には挨拶しない」なんて役に立たないプライドは捨てる。そして仕事に誇りを持って取り組んでほしい。

入社してほしいヒトは?

Q. たまらなくウレシイ時は?

ムダのない完璧な足場がつくれた時かな。「足場なんか誰が作っても同じ」と思っていたら大間違い。たとえ同じ現場であっても、足場職人の考え方ひとつで多種多様な足場ができるのが、この仕事の深いトコロだと思う。設計図面を見て、どんな家ができるかをイメージする。その家をつくるために、どんな足場があると『大工さんたちが安全で作業しやすいか』を頭に描く。足場資材をどう組み合わせれば、安全でムダのない足場を実現できるのか。実はアタマを使う仕事でもあり、大きな大きなプラモデルを組み上げているような気分にもなる。その後の家づくりに影響する重要な役回りだからこそ、完璧な足場をつくれた時の達成感はとても大きいんだ。

たまらなくウレシイ時は?